System5アンバサダー特典で、Hollyland「Mars M1 Enhanced キット」(M1 Enhanced ×2)をお借りしました。結論から言うと、フリーランスの小規模案件やYouTube撮影で「機材の数を減らして身軽にしたい」人には、とても相性がよい道具でした。
普段はPortKeys LH5P IIをBMPCC6Kの操作・確認用に使っていますが、ワイヤレスが必要になる場面ではHollyland Mars 400Sを追加。すると、ディスプレイ・トランスミッター・ケーブル・バッテリーが増えて、ジンバルのバランス調整まで手間がかかっていました。
そんなときに、1台でモニターとワイヤレス送受信を兼ねるM1 Enhancedがぴったりはまります。
このレビューはプロ用途ではなく、YouTuberやフリーランス向け。細かな規格よりも「どれだけ撮影がラクになるか」に焦点をあてています。
スポンサーリンク
M1 Enhancedが解決してくれること
見た目はこんな感じ
従来の悩み → M1での解決例
- モニター+ワイヤレス一式で荷物が増える
従来はモニター、送信機、受信機、ケーブル、そしてそれぞれのバッテリー。準備するだけで机の上がいっぱいでした。M1 Enhancedならそれらを1台に統合でき、撮影バッグもすっきりします。トランスミッターのバッテリーが無くなるだけでもかなり軽いです。 - クライアント確認用の外部ディスプレイが見栄え的にバラつく
M1同士で無線リンクすれば、受信側も同じ筐体で統一感が出ます。見た目の印象も整い、現場が落ち着いた雰囲気に。 - YouTubeの自撮り確認で長いHDMIを這わせる必要がある
iPhoneやiPadにHollyViewアプリを入れれば、すぐにワイヤレスで確認可能。ケーブルを引き回すストレスから解放されます。 - ジンバル運用時にバランスが崩れる
TX別体が不要になることで搭載物が減り、軽量化。撮影準備も早くなります。
機材の統合と見た目のスマートさを両立できる点が、この製品のいちばんの強み。小規模現場での“段取りの速さ”を実感できます。
ハンズオンなM1のレビューです。M1 to M1とスマホの接続について実践してみました。
主なスペックと印象
ケーブルがないのに画面が写っている不思議
・5.5型 1080p タッチモニター(約1000nits)
屋外でも視認性が高く、反射の少ない液晶。カラーもナチュラルで、肌色の再現がきれいです。
・TX/RX/モニターの三位一体設計
設定メニューでモードを切り替えるだけ。機材の組み替え不要でシンプル。
・HDMI in/out、SDI in対応(無線伝送は1080p)
HDMI入力は4K/30fps対応、ループアウトも可能。無線伝送は1080p固定ですが、画質の安定感が高く、実用面では十分。ちなみにSDI出力の機器を持っていないので使えません。
・伝送距離:約150m(屋外見通し)/遅延:0.08秒(理論値)
起動時に自動でチャンネルをスキャンして最適化。干渉の少ないチャンネルを自動選択してくれるので、安定した伝送が可能です。
・給電:NP-F/DC in(ロック付き)/D-Tap対応/DC出力(8.4V/1A)
撮影現場の電源環境に柔軟に対応でき、ロック付きDCは接触トラブルを防止。Type-C端子はファームウェア更新やLUT導入専用です。
・HollyOS搭載
Hollyland独自のOSにより、波形、ベクトルスコープ、ヒストグラム、フォーカスアシスト、ゼブラ、アスペクト比など多彩な補助機能を搭載。設定は再起動後も保持されます。
・カラーキャリブレーションと3D LUT対応
Rec.709色域対応、RGBゲイン調整や多段階の色温度調整が可能。外撮りでも色の再現性がよく、見やすく自然な表示です。
必要な機能をしっかり押さえつつ、使う側にストレスを感じさせない設計。プロ機並みの安定感を、軽やかに扱える印象でした。
DC INとOUTがある
SDIあるけど僕自身は使わない
背面自体もかっこいい
スポンサーリンク
実際に使って感じた良さ
見た目とビルドが良い
手触りや質感がしっかりしていて、安っぽさがありません。艶消し加工のテクスチャが高級感を演出し、カメラセット全体が引き締まって見えます。
一体型の気楽さ
モニターとTX/RXをまとめたことで、配線の手間が激減。ジンバルやリグ構成でもすっきりして、撮影準備が短時間で済みます。
接続が安定して画がきれい
一度リンクすれば、伝送は安定。遅延も気にならず、フォーカスチェックや構図確認に十分です。
スマホ連携が簡単
HollyViewアプリを入れて、M1をペアリングモードにすれば数十秒で接続完了。iPadで映像を確認できるのは本当に便利でした。
扱いやすさと現場の効率化を両立できる“バランスの良さ”が魅力。無駄を感じさせず、どんな撮影形態にもスッと馴染む存在です。
![]()
気になった点・コツ
ペアリングの癖
M1同士の接続は、最初のペアリング時に少し時間がかかりました。コツは「両方を最新FWに更新」「チャンネルスキャンを実行」「干渉の少ないCHを選ぶ」「片方を再起動」の流れ。慣れれば安定します。しかしそこのたどり着くのに「なんじゃこいつ」感は否めませんでした。
録画機能の仕様
短時間のプレビュー録画ができるのですが、映像のエクスポートは不可。電源オフでデータが消えるため、あくまで一時的な“テイク確認用”として使うのが正解です。でもやっぱ使わない。
全体的に大きな欠点はなく、どちらかというと“最初の設定だけ少し気をつける”程度。いったん使い方を掴めば、信頼して任せられるモニターです。
ちなみにこちらがアンテナ。もしかしたら別のアンテナに変更できるかも。
スポンサーリンク
まとめ
M1 Enhancedは、プロ機材のように堅すぎず、それでいて現場で安心できる作り。ケーブルが減って自由度が上がるので、フリーランスやYouTuberにとって一度使うと戻れないタイプの便利ツールだと思います。めちゃくちゃ色々と楽になります。個人的には、SDIなしの軽量・低価格モデルが出たら即買いです。
YouTuber的な人だとちょっと高いかもしれないですけど、ケーブルから解放されるのはめちゃ良いです。

