SW271を使い続けて数年。正直なところ、買い替える理由は特に見当たらなかった。色の正確さにはまだまだ自信があったし、動作にも問題はない。だけどある時から、画面の一部に“白っぽいアイコンの焼き付き”のような現象が現れはじめた。表示されていたものがうっすら残る、いわゆる残像のようなもので、消えるときもあるけれど、長時間作業をしていると再び現れる。
それでも作業には支障はなかった。でも、「気になる」——この違和感が、買い替えの背中を押した。
ちなみにアイキャッチ左がSW271Cで右がSW271です。ベゼルの大きさが結構違います。
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SW271Cに決めた理由
モニターの買い替えを考えたとき、いろんな製品を検討した。EizoのColorEdgeシリーズや、Dellの高色域モニター、ASUSのProArtシリーズも候補にあったけど、価格や用途、キャリブレーション対応のしやすさ、これまでの信頼性を考えると、やっぱりBenQに戻ってくる。
最終的に選んだのが、SW271C。決め手は次の3つだった。
- USB-Cで映像出力・電源供給・キャリブレーションが一本化できること
- 均一性補正技術(Uniformity Technology)で、画面全体の色と明るさのムラが抑えられていること
- ハードウェアキャリブレーションの信頼性
これはSW271との大きな違いは給電にType-Cで賄えるところ。これはまぁ、MacBookにあるようなType-Cデバイスから給電できまっせ!ってところにかかるんだけど、僕自身には正直デスクトップ環境には必要ない。かといって、今後Type-Cな運用をしないとも限らない。そういうことで導入に踏み切りました。
加えて、SW271Cは27インチ・4K UHD(3840×2160)の高解像度で、約163ppiのピクセル密度がある。ドットの粗さが見えないので、細部の確認や文字の視認性も高い。さらに、AdobeRGB 99%、sRGB 100%、DCI-P3 90%の広色域に対応していて、特に写真や映像制作では色の再現力に安心感がある。表示の正確さを求める作業には、信頼できる道具だと感じる。
お値段は、まぁ高いですけれども、その価値は十分にあります。
競合としてあげられた機種
こちらは勝手に選定して、比較してみたときのものです。とりあえず値段は見ない感じにしました。
モデル | Adobe RGB ※ | パネル/特徴 | USB-C/TB給電 | 内蔵キャリブレーター |
---|---|---|---|---|
BenQ SW271C | 99 % | IPS・Uniformity Tech | USB-C 60 W | ―(外部計測器) |
EIZO CS2740 | 99 % | IPS・EIZO DUE均一化 | USB-C 60 W | ― |
EIZO CG2700X | 99 % | IPS・内蔵LAN端子 | USB-C 94 W | ○(内蔵センサー) |
ASUS PA27UCX-K | 99.5 % | mini-LED 576分割 | TB3/USB-C 60 W | ― |
ASUS PA279CRV | 99 % DCI-P3 | IPS・96 W給電 | USB-C 96 W | ― |
LG 27EP950-B | 99 % | OLED・True Black | USB-C 90 W | ハードウェアキャリブ対応 |
ViewSonic VP2785-4K | 99 % | IPS・KVM付き | USB-C 60 W | ハードウェアキャリブ対応 |
スペックベースで考え、これええやんと思って、値段見てびっくりしたやつとかも入れてあります。
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開封・設置して感じたこと
最初に思ったのは「箱でかい!」。モニターの重さもそれなりにあるけど、遮光フードや付属品も含めて、プロ機材らしい重厚感がある。設置してみると、SW271よりひと回り大きく見える。調べてみたら、画面サイズは同じだけどベゼルがやや大きくなっている。おそらく、排熱や強度の関係かもしれない。
というのも、SW271はベゼルがほぼなく、そのおかげで熱がこもり、今回の画面やけにに似た減少が起きたのではないだろうかと思っている。SW271用に机を作ったので微調整ができなく窮屈な感じだけども、圧倒的綺麗さはあります。
遮光フードの作りは相変わらず丁寧で、マグネットでぴたっとはまる感じが気持ちいい。余計な光をしっかり遮ってくれるので、作業環境が整いやすい。コレに慣れているせいで、光ばバリバリ入るディスプレイを見ると「見づらい」とすら思ってしまう。
キャリブレーションをしてみる
今回もキャリブレーターは定番の「i1 Display Pro」を使い、ソフトはBenQの最新ツール「Palette Master Ultimate」。キャリブレーション自体は迷うことなく完了。
印象的だったのは、グレーバランスの安定感。これまでも大きな不満はなかったけど、SW271Cはさらに滑らかで、目に引っかかりがない。白から黒への階調が自然で、PhotoshopやDaVinci Resolveでの作業中に「ここだけ浮いて見える」といった違和感がまるでなかった。
周辺部のムラも少なく、画面全体が“1枚の布”のように見える。これがUniformity Technologyの力かと実感。
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実際に使ってみて感じたこと
色が合っている、という“確信”が持てる。それだけで、日々の作業のストレスがひとつ減った。写真でも動画でも、最終アウトプットがどう見えるかに自信が持てるのは、すごく大きい。
USB-Cケーブル1本で、映像出力、給電、キャリブレーションが済むのも快適。配線周りがスッキリすることで、デスクの上の“雑音”が減った。物理的にも、精神的にも整う感じがある。
「キャリブレーションしなきゃ…」という義務感が、「やっとくと安心だな」という感覚に変わったのも面白い変化だった。
まとめ:買い替える理由がなかったけど、買ってよかった
「まだ使えるし、色も合ってるし…」と迷っていたSW271からの買い替えだったけど、SW271Cにして本当によかった。作業が劇的に変わったわけじゃない。でも、“一貫性”と“安心感”が増した。これって、創作の土台としてすごく大事なことだと思う。
BenQ SW271Cは、そんな“安心できる後継機”として、非常に信頼できる選択肢だ。
もし今、勧めるとしたら 当然SW271Cだ。
というのも、SW271自体がすでに市場に出回っておらず(在庫有るところにはある)、SW271Cが選択肢に上がる。