マクロ撮影の現場で、どうしても「もう少し光を足したい」と思う場面がある。特に、被写体をくっきりと際立たせたいときや、細部をはっきり見せたいとき。そんなニーズに応えてくれる小型ライトを探していて、今回試してみたのがFomitoのミニマクロフラッシュ「K202」だ。
Fomitoは、撮影用アクセサリを多く手がけるブランドで、LEDライトやリグ、三脚などの中華系アクセサリで見かける機会が増えている。そんなFomitoが出しているこのK202は、中央に常時点灯可能なLED、左右に独立したストロボ、そして13色のカラーディフューザーを備えた三灯構成のライティングユニット。コンパクトで軽量ながら、使い方の幅はかなり広い。
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今回紹介する製品 K202
FOMITO マイクロフラッシュ 撮影用ミニマイクロフラッシュMiniフラッシュスピードライト 3つフラッシュヘッド 内臓リウム電池2000mAh Type-C充電 植物、人物写真、昆虫撮影などに最適
今回は、Fomitoのマクロ撮影用フラッシュライト「K202 Mini Macro Flash」をご紹介します。
この製品は、3本のアームに独立したライトを備えたミニマクロフラッシュで、マクロやブツ撮りに最適な照明を提供してくれます。
製品仕様は以下の通りです:
- 型番:K202
- 光源構成:左右のフラッシュライト + 中央LED補助光
- フラッシュ出力:8段階(1/1, 1/2, 1/4, 1/8, 1/16, 1/32, 1/64, 1/128)
- LED補助光:9段階調整可能
- 色温度:6500K(ピュアホワイト)
- 出力:最大2W(GN12×2)
- 電源:内蔵リチウムイオンバッテリー(3.7V / 2000mAh)
- 充電方式:USB Type-C(5V/2A)
- 動作温度:−20〜60℃
- 保存温度:−30〜65℃
- サイズ:高さ約44.5cm、本体部約4.5×6cm
- 重量:軽量設計(詳細未公表だが手持ちでも扱いやすい)
- 付属品:Type-Cケーブル、13色カラーディフューザー、収納ケース
また、ホットシューはユニバーサルタイプ(シングルコンタクト)に対応しており、Sony・Canon・Nikon・FUJIFILM・Panasonic(Lumix)・Olympusなど幅広い機種で使用できます。TTL等は無い。
Amazonのリンクを貼りましたが、Amazonで売られているかは不明です。アリエクやFomitoショップで入手できます。
追記、Amazonリンクありました。
中央LEDはフォーカス用に便利
中央には常時点灯可能なLEDが配置されており、暗所でもピント合わせが楽になる。明るさは9段階で調整可能で、最低から最大までしっかりと変化があり、フォーカスライトとしては十分すぎる明るさを確保してくれる。そのためストロボを使わずにこの子を使うのもありです。
最大光量ではかなりの明るさになるため、暗い環境ではむしろ少し眩しく感じることも。操作は直感的で、数値を切り替えるだけで調整できるのが嬉しい。
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左右のストロボは本格的な発光式
左右のライトは、実際にフラッシュ発光するタイプ。光ファイバー式ではなく、リアルなストロボとして機能する。出力は1/1から1/128までの8段階で、それぞれ独立して調整可能。左右のバランスを変えたり、片方だけ点けて立体感を出したりと、工夫次第で表現の幅が広がる。写真中央がストロボ。写真上部がLEDのライト。
チューブ状のアームは自由に曲げられるが、長さには限界があるため、距離の調整には少し工夫が必要。それでも、被写体との距離をうまく取りながらライティングの方向を決められる柔軟性はある。
フレキシブルアームは固めだが安定感あり
3本のアームはフレキシブルに動かせる仕様で、思い通りの位置にライトを配置できる。アームはやや硬めで、少し力がいるが、その分保持力が強く、撮影中に角度がずれる心配は少ない。
個人的には「もう少し長さがあれば…」という思いもあったが、現状でも多くのシーンで活用できるレベル。あと20cm長ければ、さらに自由度が増すのは間違いない。
重量自体も軽く、ポータブルな設計なので屋外撮影でも気軽に持ち出せる。カメラに取り付けた状態で手持ち撮影しても、バランスが崩れるようなことはなかった。
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カラーディフューザーで表現力をプラス
K202には13色のカラーディフューザーが付属。柔らかく半透明のものから、鮮やかなカラーまで揃っており、商品撮影や雰囲気を変えたいときの演出にぴったり。
普段はナチュラルな光を好む僕だが、少し色を足したい場面や背景に変化をつけたいときにはこのディフューザーが非常に便利。思った以上に発色がしっかりしているので、色によってはそのまま画づくりに活かせるレベルだった。
ちょっと撮ってみた
例として、家にあったドロヘドロ カイマンのフィギュアを撮ってみた。トップからあてて、右側の遠くから目を狙った感じ。
左側から緑、左側から青、左側から 赤。
いい感じになるように配置。
めちゃくちゃアップしていい感じに光が回るように配置、、みたいな感じで撮ってみた。どれも光がキレイだ。
広角レンズだと、これぐらい写ってしまう。やはりマクロ用のLEDということだろう。
ちなみに、真っ暗な場所ではなく、日中シンクロ的な撮影も可能。
1枚目、自然光のみ、手前が暗いから明るくしたい。
2枚目、目指したい雰囲気。めちゃクたいい感じ。
3枚目、ストロボの距離を変えて明るく。
4枚目、ストロボの距離を変えてさらに明るく。
正直2-3枚目は好みによるものがあるが、ある程度自分の思ったとおりになる。これがライトスタンドだとおそらくめちゃくちゃめんどくさいんだろうなと思う。なぜならFomitoの方は、ライトを手で持ってちょっとずつ動かせばいいだけなのだから。
写真を見てもらう通り、光自体に変な色が乗っかってないのがポイントです。
Type-C充電&軽量設計で持ち運びやすい
K202は3.7V / 2000mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、USB Type-Cで充電が可能。ケーブル1本で運用できるのは今どきの撮影スタイルにもマッチする。
ただし、手持ちの一部ケーブルが使えなかった点は少し気になった。特に急速充電対応の強めのケーブルでは接続が不安定になるケースも。使用時には相性を確認した方が良さそうだ。
気になる点とまとめ
いくつか気になる点もある。
- 出力調整が段階式で、連続的な微調整は不可
- アームの長さに制約があり、被写体との距離次第では角度調整が難しい
- Type-Cケーブルの相性に注意が必要
出力については、正直この大きさならしょうがないのかなと思う。価格的に求めるなかれと言ったところだろうか。数値的に調整するのは難しそうなので、感覚的な調整に頼ればいいかなと。
アームの長さは延長とかは無理そうなので、ユニバーサル・マウントを伸ばすアイテムやワイヤレスにするやつを使えばいいんじゃないかなと思います。
Type-Cについては、とりあえず付属のものを使うしか無いのかなと。付属品増やしたくない病ではあります。ちなみに、充電しながら使えます。
ただ、それを踏まえても、K202の「軽量・三灯・ストロボ・LED」の機能セットは非常に魅力的。マクロ撮影はもちろん、ブツ撮り、テーブルトップ撮影など、限られたスペースで確実に光を当てたい場面で真価を発揮する。
「ちょっとだけ光が欲しい」「機動力のあるライトがほしい」……そんな声にぴったり応えてくれる小型フラッシュだと思う。