ローカルネットワークが複数あると、IPアドレスの競合や接続トラブルが発生しやすくなります。特にNAS(ネットワーク接続ストレージ)を使っていると、異なる拠点からのアクセスに悩むことも。今回は、Ugreen NASとTailscaleを組み合わせて、同一IP帯でも確実にリモートアクセスできる方法を詳しく紹介します。
僕自身、環境Aと環境Bという2つの作業ネットワークを持っていて、それぞれが「192.168.1.○○」というローカルIP帯を使っていました。そのせいで、一方のネットワークからもう一方のNASにアクセスできないという問題が頻発。解決までに少し時間がかかったので、この記事でその対処法をシェアしたいと思います。
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なぜアクセスできない?同一IP帯のネットワークの落とし穴
一般的にNASは「192.168.1.x」などのローカルIPアドレスでアクセスしますが、ネットワークAとBのどちらも同じIP帯を使っている場合、名前解決やルーティングがうまくいかず、接続できなくなることがあります。
特にルーターがNAT(ネットワークアドレス変換)を使っていない状況や、VPN経由でアクセスしようとしている場合、同一IPアドレスがぶつかると予期せぬトラブルの原因になります。
TailScaleとは?仮想ネットワークでネットワークの壁を超える
ここで登場するのTailscale(テイルスケール)です。TailScaleは、WireGuardをベースにしたセキュアなVPNツールで、複数のデバイスを“ひとつの仮想ネットワーク”として結びつけてくれます。
Ugreen NASにもTailscaleを導入することで、ローカルネットワークの制約を超えたアクセスが可能になります。最大のポイントは、TailScaleが各デバイスに独自の仮想IPアドレスを割り当ててくれること。
この仮想IP(たとえば100.122.XX.XXのような形式)は、ローカルIPとは完全に別のアドレス空間で運用されるため、同一IP帯にあっても干渉せず、安定した接続が可能です。
ちなみにUgreen NASへの導入方法はこちらです。
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TailscaleアドレスでUgreen NASに確実アクセスする方法
TailScaleが割り当てた仮想IPアドレスは、以下の手順で確認できます:
- Tailscaleの管理画面にアクセス
- Machines一覧から接続したいデバイス(NASなど)を選択
- ADDRESSES に表示されているIPアドレス(例:100.115.92.23)をメモ
このアドレスを使って、次のようにアクセスします:
- Macの場合:Finder > 「移動」>「サーバへ接続」> smb://100.115.92.23/
- Windowsの場合:エクスプローラーで「ネットワークドライブの割り当て」から \\100.115.92.23\ を入力
もちろん、事前にTailScaleアプリを起動して、デバイスがネットワーク上で接続されている必要があります。
Tailscale IPは「グローバルIP」ではないので安心
ちなみに、TailScaleが提供するIPアドレスはグローバルIPではなく、仮想的なプライベートIPアドレスです。インターネット上に公開されるわけではないので、セキュリティ面も安心。
この仕組みにより、どこにいても、まるで同じLAN内にいるかのようにNASや他の機器にアクセスできるようになります。
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まとめ:TailScaleでNASアクセスの悩みがゼロに
TailScaleは、同一IP帯ネットワークをまたいでNASにアクセスできる、非常に優秀なソリューションです。Ugreen NASとの相性も良く、導入も簡単。
- 複数ネットワーク間で機器にアクセスできない問題を解消
- Tailscale独自のIPで安定接続
- SMB共有も可能でMac/Windowsどちらも快適に使える
NASに限らず、自宅サーバーやPC同士のリモートアクセスにも応用できるので、TailScaleは本当におすすめです。特にリモートワークや複数拠点をまたぐ作業環境では、今後のスタンダードになっていくと思います。
Ugreen NASユーザーだけでなく、ローカルIPの競合やネットワークアクセスの不安を抱えているすべてのユーザーに、ぜひ一度TailScaleを試してみてほしいです。