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Windows 11でIMEの「最初の1文字が確定されてしまう」不具合:体験と対処法

Windows 11でIMEの「最初の1文字が確定されてしまう」不具合:体験と対処法

ある日、文字を打ち始めた瞬間に違和感が出た。僕は「か」と入力したつもりなのに、画面には「kあ」。
「え? なんで先頭にローマ字が残るんだ?」と戸惑い、数回試しても同じ。コピー直後やIME切り替え直後ほど起こりやすく、最初の1打が勝手に確定される。この小さな異常が、入力のリズムを崩すには十分だった。

しばらく様子を見つつ調べていくと、クリップボード操作や起動直後のIME初期化タイミングと絡んで発生しているらしいことが分かった。検索すると、同様の報告は散見されるが、「これが公式の原因」という明言は見当たらない(2025年9月時点)。

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現象の詳細(僕の環境)

  • OS:Windows 11
  • IME:Microsoft IME(日本語)
  • 症状:コピー等の操作後、最初の打鍵が確定扱いになる
    • 例)「か」と打ちたい → 「kあ」 になる
  • 再現性:アプリや入力欄を変えても発生、サインイン直後ほど起こりやすい

結果、ムカつくことになる。

似た報告と公式の確認状況

  • Microsoft Q&A/フォーラム等に、「Japanese IMEで1文字目が確定される」「tあ になる」といった報告が複数ある。
  • ただし、特定のレジストリ値が原因とする公式発表は未確認。ビルドやIME更新状況、言語パックの状態で再現有無が揺れる印象。
  • 要するに、同種の症状は確かに報告されているが、公式に原因が特定・公表された形跡はない(2025年9月時点)。

それを今回解決する。

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対処の考え方(何をして直したか)

体感として、タッチキーボードや候補UI(Expressive Suggestions など)の「一度でも開いた」フラグや「最終オープン時刻」を記録するレジストリの“履歴系の値”が、起動直後のIME初期化と噛み合わず、最初の1打が確定扱いになることがある。

そこで、履歴フラグ/最終オープン時刻の“値だけ”を削除し、Windowsに初期値から再構成させたところ、現象が止まった。値はサインイン後に自動再生成されるため、削除は安全側の操作と言える(巻き戻し用に念のためバックアップ推奨)。

実際に行った手順(再現止まり)

当然ながら自己責任。

1)念のためバックアップ

  • regedit を起動 → 対象キーを右クリック → エクスポートで .reg を保存

2)対象キーへ移動

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\InputMethod\Settings\Common

3)右ペインで “値” を削除(キーごとではない)

  • TouchKeyboardHasEverShown(必須で削除)
  • …LastOpenTime で終わる値(環境で名称が異なる)
    • よく見かける例:InputPanelPageLastOpenTime
    • 僕の環境:ExpressiveSuggestionUIPageLastOpenTime

ポイント:「Common」キー本体は消さない。 削除するのは値(Value)だけ

4)サインアウト or 再起動

  • 再ログイン後、最初の1打が未確定入力として扱われることを確認

つまり、このレジストリを触れば治った。

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なぜ効くのか(仮説の整理)

  • TouchKeyboardHasEverShown
    • 「タッチキーボードを一度でも表示した」フラグ。
    • これが残っていると、起動直後でも“既にUIを一度動かした前提”でIMEが進み、最初のキーが確定扱いになる場合がある。
  • ◯◯LastOpenTime
    • 候補UI/入力パネルの最終オープン時刻
    • これが残ると、未確定文字列の開始タイミングがズレ、初回キーがASCII確定のように処理されることがある。

→ これらを削除すると、IME/入力パネルがまっさらな初期状態から初期化され、初回キーが正しく未確定入力として扱われる。

※ 削除した値は、OSが必要に応じて自動再生成する(再生成は正常挙動)。

すぐできる応急処置(再発時の手当て)

  • サインイン直後にタッチキーボードを一度開いて閉じる
  • 上記の同じ値を再削除 → サインアウト
  • IMEを「以前のMicrosoft IMEを使う」*に切り替える/最新更新を適用する

IMEを変更する気がないので1つ目の方法を使っていたが、流石に馬鹿らしくなったのでレジストリで解決した。

注意点とリスク管理

  • 触るのは HKEY_CURRENT_USER 配下だけ:影響は現在のユーザーに限定。別ユーザーで同症状なら、そのユーザーでも同操作が必要。
  • キー本体は削除しないCommon キーは残し、中の値のみ削除
  • バックアップ前提:戻したくなったら、エクスポートした .reg を統合すれば復元可能。
  • 値名の差異に注意:ビルドや機能構成で名称が変わる。InputPanelPageLastOpenTimeExpressiveSuggestionUIPageLastOpenTime など、末尾が LastOpenTime の値を目安に特定。

まとめ:同じ症状なら、まずは“履歴のリセット”を

「最初の1文字が確定される」だけ——それだけで入力体験は驚くほど損なわれる。僕の環境では、履歴系のレジストリ値を削除してサインインし直すことで、安定して再発が止まっている。

現時点で、この現象の“公式な原因特定”は未確認だが、同様の報告は確かにある。もし同じ症状に悩んでいるなら、バックアップの上で“履歴のリセット”を試す価値は高いはずだ。

入力の最初の一拍が、きちんと未確定で始まる。その当たり前が戻るだけで、PCの前での気分はだいぶ変わる。

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「全身性エリテマトーデス」と「両足大腿骨骨頭壊死」という病気を抱えながら、フリーランスとして活動しています。伊勢志摩在住。HP制作、写真撮影、動画撮影を生業としています。 このブログに掲載している写真は、主に EOS R5(2021年頃より)を使用して撮影しています。 お仕事のご相談やレビューのご依頼は、お問い合わせフォームからご連絡ください。 また、YouTubeもやっています。よかったらフォローしてもらえると嬉しいです!

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